下水道の秘密♪
ここだけの秘密事項

<下水道って汚くて暗くて危険・・・3Kだぁ・・・>
 下水道・・・これは僕がやってる仕事の一つでもあります。というのも土木の設計業(ITの技術もかなり必要となってる)をしていて、最近この下水道に妙にはまってたりしています。というのも、かなりこの設計が楽しいです。構造的になんとなく制約が大きいので、これしかない!と思っています。
 下水道・・・その名の通り、下水を流すわけですが、この設計はかなり・・というか土木の設計の中でも複雑さは高レベルではないかと思います。つまり、上水道であれば、圧力で各家へ配管するので、浅くていいのです(地面からの深さを土被りといいます) 。この土被りは水道管で1メートルくらい、ガスも1メートルくらい、NTTケーブルが1.2メートルくらいです。大まかにはこれくらいです。しかし下水道は圧力で流すわけにはいかない(場合もあるけどほとんど自然流下)ので、一番上流の土被りが1メートルでも下流に行くにしたがってどんどん深く下へ下へとなっていきます。
 つまり、地面も坂道となっていれば道路と同じ勾配での布設が可能なんですが、日本の地域事情的にそうもいってられません。平野ともなると延々と深くなり続けます。下水道の場合は勾配の単位として‰を使用します(パーミリと呼びます)1%=10‰です。 つまり1‰は100メートル行って10センチメートル下がるという計算になります。下水道の場合(汚水)は3‰が標準となっている場合が多いみたいです。
 この3‰は管種によっても変わってきます。現在は塩化ビニール管というのをよく使用しています。鉄筋コンクリート管はよほど深いか、管径が大きい時(300以上)以外は使わないです。レジンコンクリート管というものもありますが、これは鉄筋コンクリートのさらに強度を増したもので、これも深いとか重要な現場以外は使いません。
 つまり、一般的には塩化ビニール管のφ200 で、 勾配は3‰ で、 マンホールとマンホールの最大延長を75メートル以内にしなければならないんです。

 次に、φ200ですが、これはφ250やφ300などにアップさせる場合があります。それは処理(負担)する面積の人口から計算して、何千人かになるとφ250,φ300などにアップさせなければなりません。これは人口密度などによってもだいぶん変わってくるのです。詳しくはわかりません(ぉぃ)
 下水道をやってて、一番困難なのは、深さです。汚水だけならば、そのまま上流を土被り1メートルと決定して、どんどん勾配と延長で計算していけば良いのですが、下水道は汚水だけではありません。雨水もあります。この雨水と汚水を同時に設計するので大変なのです。汚水と雨水が交差したりすると、その交差の分だけ汚水か雨水が深く・浅くなり、他には、NTTやガス・水道などとの交差のときに深くしなければならずに、苦労することがあります。
 深いところで10メートルとかいうところもあります。となると、上からショベルカーで掘るわけにも行きません。10メートルも掘ることにより、掘ったときの壁から地下水がわき出たり、最悪の場合は崩壊することもあります。また掘削の底面からのわき水・・・最悪の場合は下から土と一緒に爆発的な掘削底面の崩壊(ボイリングやヒービングといいます)になったりするので、10メートルもあればこのばあいはショベルカーを使いません。
 ではなにを使うかというと、トンネルを掘る機械をつかいます。とはいってもあんなに大きい掘進機ではありません。もう少し小さい、管径にあったものを使用します。普通に掘る(開削工法)よりも1メートル当りの工事費は1.5倍くらいになってしまいますが、安全性を考えれば安い物となります。
 この推進工法(トンネル工法)では最初と最後のマンホール(75メートル間)に穴を掘り(地下水が出ないようにストップさせておく器具などを取り付ける)その中に掘進機を入れて横方向に掘り始めます。そして数週間掘り続ければ到達するというわけです。到達したときの感動はすごいものがあります。
 でも時には掘っている途中で、岩に当たったりしたらおだぶつです。だからその時のために、岩対応型の掘進機を使ったりします。高いです。値段はかなり高いです。だからできるだけ岩が無いように祈ることが重要(汗)です。

 だいたい土被りが3メートルを超えたら推進工法になります。

つまり、まとめとしては、最低の土被りは1メートルです。そして、3メートルを超えたら推進工法になるので、なるべく浅く埋設していきたい。しかし、雨水と汚水の交差があって、どちらかを深くしなければならない。でも深くすると推進工法になるので、なんとかしなければならない。では他のルート(地形にあった斜面であれば、高い方から低い方など)は検討できないか考える。しかし適当なルートが見あたらない。では推進工法を選択する。
 と言う具合になります。

実際にはもっと複雑な検討(ルートはいろいろある(住宅地であれば、無数のルート検討が・・))があるので、時間がけっこうかかります。

 これを読んで少しでも下水道の設計に興味を持った人は、家の近くの下水道現場にこの文章を持って行って見てみてはいかがでしょうか?少しは自由研究などの課題作成になるかもしれません〜☆


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